キイロサンゴハゼは名前の通り鮮やかな黄色い体をした、体長3センチほどの小さな魚です。サンゴ礁に生息し、ミドリイシ属などのサンゴのすき間を暮らしの場にしています。
そんな小さな体で、サンゴのすき間をどのように利用して暮らしているのでしょうか?
小さな体が活きる!サンゴのすき間での暮らし
水深2〜15メートルのサンゴ礁には、体長3センチほどのコバンハゼ属 キイロサンゴハゼ Gobiodon okinawae が暮らしています。
この魚は小さな体を活かし、入り組んだサンゴの枝間をすみかとして利用しています。
キイロサンゴハゼ(提供:PhotoAC)枝の上で胸びれをちょこんと立てて乗っている姿は、まるでソファでくつろいでいるかのようで、とても可愛らしいです。吸盤状の腹びれを使い、サンゴなどにペタッと貼り付くこともできます。
5〜15尾ほどで群れをつくることもあるキイロサンゴハゼ。サンゴは、彼らにとって単なる背景ではありません。
では、サンゴにとってキイロサンゴハゼは、どんな存在なのでしょうか。
持ちつ持たれつ?サンゴとの関係
キイロサンゴハゼにとって、サンゴの枝間は産卵や外敵から身を守るための「すみか」です。
一見すると、キイロサンゴハゼが一方的にサンゴを住みかとして利用しているようにも思えます。
サンゴとキイロサンゴハゼは、互いに支え合っているのでしょうか。それとも、キイロサンゴハゼがサンゴを上手に住みかとして利用しているだけなのでしょうか。
コバンハゼ属とサンゴは相利共生?
2013年に出版された論文「Toxic coral gobies reduce the feeding rate of a corallivorous butterflyfish on Acropora corals」では、本種と同じコバンハゼ属の魚がサンゴにいることで、サンゴ食性の Chaetodon austriacus による摂食を有意に減らすことが明らかになっています。
この研究成果は、コバンハゼ属がサンゴと相利共生関係にあることを示唆するものです。もしかすると、キイロコバンハゼとサンゴの間にも相利共生の関係が築かれているかもしれませんね。
アクアリウムで人気者!
鮮やかな黄色とキュートな仕草で、アクアリウムでも人気者のキイロサンゴハゼ。水槽の中でもサンゴの上にちょこんと乗って、のんびり過ごす姿には思わず心が和みます。
でも本当に惹かれるのは、見た目が可愛いからだけじゃないはず。サンゴに寄り添いながら暮らす、日常の景色ごと私たちは惹かれてしまうのかもしれません。
(サカナトライター:キタムラ)