カサゴの仲間をうまく飼育する方法
では、どうすればうまく飼育できたのでしょうか。
まず、水槽はキリンミノやサツマカサゴなどのような比較的小型で、よく岩陰でじっとしているタイプの種でも幅60センチほどの水槽が欲しいところです。
餌を確保するため、特に魚の切り身などにまだ餌付いていない個体のために、海へ出かけて多くのエビや小魚を採集してくる必要があります。そして、常にきれいな海水を保つためにはろ過装置がうまく働いているのはもちろん、頻繁に海水をかえる必要があります。
うまく飼育するにはどうすればいいだろうか?(提供:椎名まさと)人工海水を使うのが主流ですが、きれいな海で海水を汲んでくることも可能です。そのやり方だと人工海水代をいくらか節約できることがあります(ただし天然の海水は細菌や有害物質などが含まれている可能性もあり、また大雨のときなど水質が大きく変動することもあり、上級者向けではある)。
結局、餌の小魚やエビなどを採集でき、きれいな海水を汲むことができる環境が近くにある人が有利ということになるかもしれません。そうでない場合はしっかりお金をかけてシステムを組み、餌や人工海水のもとを購入してあげましょう。
飼育が難しくても逃がしてはいけない
カサゴの仲間を飼育していると、餌の問題など、困難に立ち向かうことになるかもしれません。しかし、餌の確保が難しいからといって、海に逃がすようなことはしてはいけません。
実際に、ミノカサゴの仲間が分布していなかったカリブ海において、飼育されていたミノカサゴの仲間(ハナミノカサゴ、ないしその近縁種)がハリケーンの影響か、人為的な放流によるものか、いずれにせよ海に逃げ出して定着しているという事例があります。
カリブ海で問題を引き起こしているハナミノカサゴ(提供:椎名まさと)それによってミノカサゴの仲間が藻類食性の魚を捕食しサンゴに生えるコケの抑制ができなくなり、その結果サンゴがコケにおおわれ死滅してしまったり、カリブ海に従来から生息しているほかの魚食性魚とくらべて成長が早く、在来の肉食性魚にとって脅威となったりするようです。
日本には従来からミノカサゴの仲間が分布していますが、あまりミノカサゴの仲間が増えすぎると生態系のバランスが崩れるおそれもありますし、また、寄生虫や病気の逸出もありえるので、ミノカサゴに限らず飼育している魚を放流することは避けなければなりません。
(サカナトライター:椎名まさと)