大分県大分市にある、大分マリーンパレス水族館「うみたまご」は8月1日、JYAKU株式会社、株式会社deserveと共同で、ショーの解説を来場者のスマートフォンにリアルタイムで多言語字幕として配信するサービスの実証を開始しました。
外国人観光客への対応に加え、聴覚に障害のある人への情報提供や災害時の安全案内への活用も視野に入れ、運用面や利便性を検証するとしています。
ショー解説を5言語の字幕でリアルタイム配信
実証では、水族館スタッフがショーで話す日本語の解説を音声認識と自動翻訳により字幕化し、来場者のスマートフォンへリアルタイムで配信します。
対応言語は日本語、英語、簡体字中国語、繁体字中国語、韓国語の5言語です。
うみたまご イルカのパフォーマンス(提供:PhotoAC)館内に設置されたQRコードを読み取り、言語と視聴するショーを選択することで利用可能。専用アプリなどは必要ないといい、ショーごとに字幕が表示されるため、複数のプログラムが同時に行われる場合でも、対象の解説だけを確認できる仕組みです。
実証期間中は、音声認識や翻訳精度のほか、字幕の見やすさや利用者の操作性、スタッフが日常業務の中で無理なく運用できるかなどを検証する予定だといいます。
インバウンド対応とアクセシビリティ向上を目指す
水族館のショーでは、生き物の特徴や生態、安全上の注意などが音声で案内されますが、日本語を理解できない来場者や、音声を聞き取りにくい人にとっては十分に内容を把握できないケースもあります。
今回のサービスは、こうした課題への対応を目的として開発。文字情報によってショーの内容を伝えることで、外国人観光客だけでなく、聴覚に障害のある人や周囲の環境音で音声が聞き取りづらい来場者にも情報を届けられることが期待されています。
災害時の情報伝達手段としても活用を検証
本サービスは、ショーの字幕配信だけでなく、館内案内や災害時の情報発信にも対応。地震などの緊急時には、館内放送を補完する手段として、安全情報を多言語の文字で来場者のスマートフォンへ配信する運用を検証します。
災害時に向けた情報は日本語のみ対応のものが多い(提供:PhotoAC)管理画面では、定型文の送信やショーのスケジュール管理、字幕履歴や利用状況の記録なども可能。水族館特有の生き物の名称や専門用語を事前に登録し、音声認識や翻訳の精度向上につなげる機能も備えています。
共同開発した3社は、実証で得られた利用状況や利用者の意見をもとに、字幕表示や翻訳精度、運用方法などの改善を進める方針です。
将来的には、水族館をはじめとした観光施設での活用拡大も視野に入れ、言語や聞こえ方にかかわらず情報を取得しやすい環境づくりを目指すとしています。
※2026年8月12日時点の情報です
(サカナト編集部)