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アズマヒキガエルの社会性は”幼少期の経験”で形成される? 単独飼育の<オタマジャクシ>は他個体への接近が減少

動物は群れを作ることで、外敵から身を守ったり餌を効率的に見つけたりと、様々な利益を得ています。

中でもオタマジャクシは、兄弟を認識して一緒に行動することが多くの種で報告されており、社会行動の進化を理解する需要な研究テーマになっています。一方、その社会性が生まれつきなのか、幼少期の経験によって形成されるのかは、謎に包まれていました。

また近年、微生物が動物のコミュニケーションなどに影響する可能性も指摘されており、微生物を多く含む水が社会行動に影響する可能性も考えられています。しかし、社会経験と水環境を同時に比較した研究はほとんどありませんでした。

そうした中で、京都大学大学院地球環境学堂の長谷和子研究員は、アズマヒキガエルのオタマジャクシを対象に、幼少期の経験と水環境が社会性に与える影響を調べました。

この研究成果は『Animal Cognition』に掲載されています(論文タイトル:Social isolation, rather than kinship, influences association behavior in toad tadpoles (Bufo formosus))。

オタマジャクシが持つ社会性

動物は群れを作ることで、外敵から身を守ったり餌を効率的に見つけたりと、様々な利益を得ています。

中でもカエルの幼生(オタマジャクシ)では、兄弟を認識して一緒に行動する「血縁者識別」が多くの種で報告されており、社会行動の進化を理解する重要な研究テーマだといいます。

また、近年は微生物が動物の体臭やコミュニケーションに影響する可能性が指摘されているようです。そのため、水環境が社会性に影響するのではないかと考えられています。

4つの条件で飼育したオタマジャクシ

今回の研究では、4つの卵塊由来のアズマヒキガエルのオタマジャクシを「集団で飼育する条件(20個体の兄弟と同居)」と「単独で飼育する条件」に「水道水」と「池の水」を組み合わせた計4通りの条件で飼育実験が行われました。

アズマヒキガエル(提供:PhotoAC)

研究グループはこれらのオタマジャクシについて、兄弟個体と非兄弟個体を同時に提示する社会的選好性を測るべく、選択実験を実施。水槽に「兄弟側」「非兄弟側」「中立ゾーン」を設け、60分間、個体の動きを追跡し、それぞれの区間に滞在した時間の解析を行いました。

単独で育つと他個体への接近が減少する

実験の結果、飼育条件に関わらず兄弟を優先して選ぶ行動は確認されませんでした。

一方、単独で育ったオタマジャクシは兄弟・非兄弟問わず他個体への接近が減少し、中立ゾーンで長く滞在したようです。

また、水環境による有意な影響も認められていません。

こうしたことから、アズマヒキガエルの社会性は血縁関係や水環境よりも、幼少期の経験によって形成されることが示されたのです。

幅広い分野への応用が期待される

今回の研究によって、アズマヒキガエルの社会性は血縁関係や水環境よりも幼少期の経験によって形成されることが示されました。

この成果は社会性は生まれつきではなく、発達過程で形成されることを示すものであり、今後、発達生物学や行動生態学などへの応用が期待されています。

(サカナト編集部)

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